日本の農業問題について 4
ガット第11条2項は政府が生産調整を行なっている農産物については輸入数量制限を認めているからです。
事実、アメリカもそれまでは作付制限を行なっている小麦と棉花についてはこの条項を適用してガット上合法的に輸入制限を行なってきたのです。
国内農業政策とガットとの矛盾が生じたのは1951年に油脂と一部乳製品についての輸入制限を実施して以来です。
アメリカ議会はこれらについての輸入制限は採択しながら、他方これと同時に実施されるはずであった作付制限は採択にいたりませんでした。
こうしてガット上非合法のまま輸入制限を実施するという事態が生じ、しかもその対象は落花生、えん麦、大麦、ライ麦などの他の作物にまで次第に拡大されていきました。
アメリカは国内農業政策かガットかという選択のまえに立たされたのです。
そうしたなかでアメリカ政府が選んだのが前者の道であり、農業調整法対象農産物についての一括ウェーバー取得という方向でした。
アメリカのウェーバー申請に対して、ガット総会ではげしい議論が展開されましたが、結局において賛成24、反対5、棄権5でかろうじて3分の2の多数決を獲得し、承認されました。
・・・これによりアメリカはガット上合法的に農産物の輸入数量制限を行ないうる唯一の国となったのです。