日本の農業問題について 2
要するに、ガット規定の解釈ないし部分的修正ではカバーしきれない重大な事態ということでしょう。
その限りでいえば、それは必ずしも農業に固有の問題とはいえません。
事実これまでの実績をみても、以上の規定によりウェーバーを与えられた総事例約70件のうち、特定の農産物だけを対象にしたものは6件にすぎず、農業はむしろごく一部にとどまっています。
・・・しかし、それにもかかわらず、この問題が世界の農産物貿易にとっても、ガットそれ自体にとってもきわめて重要な意味をもつというのは、世界最大の農産物輸出国であり・・・
そして、ガットのリーダーでもあるアメリカだけがもっぱら独占的かつ恒久的に農産物についてのウェーバー(具体的には第2条の関税譲許についての義務免除と第11条の数量制限廃止の義務免除)の特権を享受していることによるものです。
そのことはガット内部にきわめて大きな制度的不平等をつくり出すことによって加盟各国間の政治的・経済的軋礫を拡大したばかりでなく、ガットの中立性・平等性に対する不信感を生み出す一因ともなっているのです。